注連縄とは?
注連縄は縄をねじってつくられたものですが、これは御祭神を守るための結界を示し、神域を俗界と区切るためのものです。鳥居や狛犬、手水舎などとともに穢れを祓い清める役割を果たすもののひとつで、社殿の他、御神木などにかけられることもあります。また、正月に家で注連縄を飾るのも、穢れを祓い、その家が年神様を迎えるのにふさわしい場所であることを表します。
注連縄には「占め縄」の意味もあり、特定のものを入り込ませないようにする役割を持ちます。その起源は「古事記」にさかのぼり、天照大御神が天岩戸から出た時に再び入れないように「布刀玉命(ふとだまのみこと)」が注連縄で戸を塞いだことであるとされます。
注連縄の種類
注連縄には、太さ数センチのものから、宮地嶽神社のように数メートルに及ぶものまでさまざまな大きさや形状がありますが、基本的には共通しています。「前垂注連(まえだれしめ)」と呼ばれるものが一般的で、稲わらをよってつくった縄に「〆の子」と呼ばれる装飾用の藁と、和紙を切ってつくった「紙垂(しで)」と呼ばれる白い紙を一定間隔で垂らしています。〆の子は雨の降る様子を表し、豊作の願いが込められていると言われています。紙垂は雷光の形を模したものと言われ、お祓いにつかう「大幣(おおぬさ)」に取り入れられています。
注連縄の形状には、両端が細く、中央が太くなった「大根注連(だいこんしめ)」や、片方が細く、反対側に向かうとにつれて太くなる「牛蒡注連(ごぼうしめ)」などがあります。通常の縄と区別するため、縄は「左より(左巻き)」にするのが基本ですが、「右より(右巻き)」の例もあります。